当番制-3

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「は、っぅ......」
 夢心地な状態は、まだ続いている。
 うっすらと目は開いていたが、何も見ていないような状態だ。
 もしかしたら、脳が現実を受け入れていないのかもしれない。
 冷ややかに自分を分析する部分があるところで、もう一方の自分は、愉悦に攫われていた。
「ほら、アニキ。もうちょい足広げて」
「んんぁ......」
「英輔にいちゃん、これはどう?」
「ひゃ、あ、んっ」
「......イイみたいだな」
 しっかりしろ。心のどこかで叱責が飛ぶ。
 英輔は、自分がどうなっているのか状況を確認するために、何度か瞬きをした。
 奥歯に力を入れると、ずいぶんと思考がクリアになる。
 視界も悪くない。一度外したはずの眼鏡は、いつの間にか掛け直していたらしい。
 視線を下に下ろすと、勇樹と目が合った。
 勇樹は英輔を見上げながら、ずっと何かに吸い付いている。
「あ、ああっ」
 ちらりと白い歯が見えたと思ったら、背筋がゾクゾクする快感とともに声が出た。
「にいちゃん、噛まれるの好きなんだ」
 嬉しそうに呟いた勇樹は、再度、ぷっくりと勃ち上がった乳首に吸い付いた。
「ひ、んっ!」
 歯で押しつぶされると、腰が揺らいでしまう。
 腰を揺らすと、下半身も気持ちがいい。
 無意識に揺らしていた英輔は、勇樹から視線を外して更に下を見ると、茶色の髪が見えた。
 鉄馬も、何か咥えている。
 ジュボジュボと音がする度に、下腹部に熱が溜まった。
「だめ、も......で、るッ」
「ん、出せって」
 許可が得られた英輔は、本能のままに腰を振る。
「ひあっ、あん、......イく、イくッ!」
 ぐっと髪を掴んで腰を打ち付ける。
 震える喉に締め付けられて、英輔は絶頂に達した。
「......っは、あ......!」
 ぶるぶると強い快感に身体が震える。
「英輔にいちゃん、かわいー」
「俺のディープストローク、そんなに気持ちよかった?」
 2人に顔を覗き込まれてる。
「お、まえ、ら......」
 舌が縺れたが、一度達したせいか、先ほどより意識がはっきりしてきた。
 禁忌を犯していたことに気付いて、冷水を浴びさせられたように身体の心が冷える。
「こんなこと、していいと......思っている、のか」
 眉間に皺を寄せて睨みつけると、鉄馬は慌てたが、勇樹は逆に深い笑みを浮かべた。
「やべ。アニキ正気に戻った?」
「イッちゃったからね。もう一回理性飛ばしちゃお」
「なに、を......っあ!」
 達したばかりの性器を握られ、敏感で弱い先端の粘膜を指でいじられる。
「ひゃ、っぐぅ......んん!」
 喘ぐ声は、鉄馬から口付けを受けて遮られた。
「指、さっきも入れてたんだよ?にいちゃん気付かなかったかもしれないけどさ」
 勇樹が言いながら、細い指で後孔をくすぐる。
 咄嗟に足を閉じようとするが、右足を鉄馬に、左足を勇樹に押さえられてしまった。
 はしたなくも大きく開いて身体の奥を晒す格好に、羞恥心が煽られる。
「ん......ぐ、んんぅ......」
 互いの唾液を混じり合わせるような激しいキスに酸欠に陥りながら、英輔は勇樹に後蕾を弄られた。
「ほら、僕の指なんかもう、三本も飲み込んじゃうし......」
「んん、うそ、あ、あああ......っ」
 酸素を求めて鉄馬を押しのけると、下半身にぴりっとした電気を感じた。
 否。電気のような強い快感だ。
「こりこりしてるよ、にいちゃんの前立腺。すごく弄られたいって主張してる」
 ふわっと女の子顔負けの愛らしい笑顔で微笑みながら、勇樹は指の抜き差しを始める。
 快感の入るスイッチを指先で揉まれて、英輔は仰け反った。
「ひ、ぃい・・・...ッや!」
 思わず身近にあった身体に縋りつく。
 身体を焦がす刺激に、放置されたペニスは勃ち上がって先走りを垂らしていた。
「気持ちいい?アニキ」
 鉄馬に上半身を抱きしめられながら、下半身は勇樹に弄ばれる。
「ぬ、けえッ」
「そんなこと言って。ココは離したくないって言ってるよ?」
「よく見てみろよ。アニキのアソコ、すごく真っ赤で、可愛いぜ」
「言うな、ッ」
 怒鳴り声は力がない。
 英輔は弟2人に言葉で嬲られて、頭がおかしくなりそうだった。
「ふ、2人、とも......もう、こんなこと、っは、やめな、さ......っい」
「まだ、そんなこと言えんだアニキ。......勇樹、そろそろ」
「ん。このぐらいなら、僕のも入るね」
 ちゅぽっと指が引き抜かれた。
 ぐいっと膝裏に手を掛けられ、勇樹が圧し掛かってくる。
「い、や......いやだ、っ!」
 身体ががくがくと震えて、鉄馬に更に縋りつく。
 腕に爪を立てられた鉄馬が、痛みに眉を顰める。
 それでも兄が怯える様を見て、優しく抱きしめた。
「大丈夫。俺たちはアニキが大好きなだけなんだ」
「愛してるの。英輔にいちゃん」
「そ、......っなら、なんで、......う、ああああ!」
 ぐりゅっと、押し込まれる熱。
 十分に拡げられた上での蛮行に、ソコは裂けることなく受け入れていた。
「は、ぅん......にいちゃ、あん」
 自らが甘い声を零して、勇樹は英輔の腰を掴む。
 上気した頬に、赤い唇。少女のような外見を持つ末っ子に、身体を貫かれた英輔は、ショックで動きが止まっていた。
「どうだ、勇樹」
「うん。すっごく、絡んできて......気持ちいい......」
 浮ついたような声で呟いて、勇樹はゆぅっくりと腰を揺らし始める。
「あ、ああ、あ、んっ」
 ぐりゅっとまだ未熟な性器に前立腺を突かれて、英輔は薄い胸板を突き出すように仰け反る。
 尖った胸の突起は、鉄馬に弄られた。
「にいちゃん愛して、るっ......僕たち、英輔にいちゃん、だけ、だからぁ、」
 だんだんとリズムカルに突き上げながら、愛の言葉を零す三男。
「明日は、俺だからね。......勇樹より、もっと、可愛がってあげられるから」
 初物を弟に譲り、結合まで手伝った鉄馬は、胸を愛撫しながら何度も口付けを落とす。
 情欲に駆られた瞳で見つめられ、英輔は突き上げられる感覚に相まって身体が高まっていく。
 だらだらと白濁交じりの先走りを溢れさせるペニスを、ぎゅうっと鉄馬に握られた。
 突き上げるタイミングに合わせて扱かれる。
「お、まえらたちッ、好きだからって、なんでも、んんっ......して、いいと、言うわけじゃ、っひゃ、あ」
 説教は、嬌声に取って変わる。
「お、おむつの替えも、んう......私が、していたんだ、ぞっ!」
 12歳の年の差を訴える。だが、2人の陵辱は止まらない。
 後孔を突き回され、ペニスを弄られて、神経の焼ききれそうな刺激に視界が、霞む。
 そのせいで、2人の行為を受け入れるように、腰を揺らしていたことに、英輔は気付かない。
「いやだ、......ぁあ、ぅッ!」
「きゃあ......ッにいちゃ、そんな、締め付けな......ッ、出ちゃッ......!」
 激しく抜き差しを繰り返されながら、英輔は二度目の絶頂を、勇樹とともに迎えた。
「ん、ぁは......あ......ッ」
 上下に胸を揺らして激しい呼吸を繰り返す。
 ぎゅうっと英輔の腹にしがみ付いた勇樹も同様だ。
 ひくひくと絶頂後に絡みつく媚肉にペニスを挿入したまま、快感の余韻に浸る。
 ぐったりとした2人を見て、高ぶったままの鉄馬は、そっと英輔に囁いた。
「大好きだよ、アニキ」
「僕も、大好き......」
 2人から告白を受け、思考に霞みかかった英輔はゆっくりと目を閉じた。



「......」
 翌朝。
 テーブルには、朝から精のつくものばかりが並んでいた。
 それを睨むように見ていた英輔は、一度は席についたものの、すぐに立ち上がる。
「にいちゃん、どうしたの?」
 きょとんとした表情の勇樹。
 昨日と同じようにエプロンを見につけている。
「食欲がない。......もう出る」
 弟の顔を見ていられなくなった英輔は、視線を逸らしてリビングから出ようとした。
「駄目だよアニキ。今夜は俺の番だもん」
 丁度廊下から入ってきた鉄馬に抱きとめられる。
「ッ!」
 腰を厭らしく撫でられて、英輔は息を飲んだ。
 かさ、と衣服の中で乾いた音がする。
「鉄馬ッ」
 どけと言わんばかりに名前を呼ばれるが、鉄馬はぎゅっと抱きしめて英輔を食卓に推し戻す。
「ちゃんと食べて。じゃないと......パンツ返してあげないよ」
 耳元で囁かれて、英輔は奥歯を強く噛む。
 自分より身長の低い弟を一睨みして、英輔は椅子に腰を下ろした。
 若干やけくそ気味に、朝食を取り始める長男を見て、勇樹はそっと鉄馬に近づく。
「何したの?」
「ん?ああ、アニキがアレのとき、俺たちのおむつを取り替えたのにって、言ってたじゃん?アニキだけじゃ不公平だからさ、下着全部隠して、さっき無理やり付けさせた」
 言いながら、そっと鉄馬は勇樹に自分のケイタイを見せた。
「......」
 写真には、少し厚手の白い紙に覆われた下半身を隠そうとして、隠しきれていない兄の姿が映っている。
 いつものように無表情ではなく、羞恥に頬を赤く染めながら睨みつけているものだ。
「......僕たちって愛されてるね」
「そうだな。けっこう酷いことしたのに、な」
 自覚がある2人は、そういって笑みを零す。
「......鉄馬、勇樹。お前たちも食べなさい。学校に遅れる」
 真面目な兄は、弟たちの扱いあぐねているのか、無表情にそう告げて箸を動かすばかりだ。
 どう対処していいか必死に思考を巡らしているのだろう。
「次は俺かあ、アニキってビスチェとか女装下着とか好きかな」
「......マニアックすぎるよ鉄馬」
 勇樹は、今夜のことを楽しみにしている様子の鉄馬に、呆れたような声を出す。
「2人とも早く食べなさい!」
 聞こえていたらしい英輔の怒鳴り声に、双子は慌てて食卓に着いた。


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